伊月はる

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 彼女は理想郷を目指して旅をしていて、私は彼女の用心棒だった。道端のキノコを食べた彼女が中毒死するまでは。「散骨は理想郷で」という彼女の最後の願いを叶えるべく、私は今日も旅を続けている。空は抜けるように青くて、たまに行き当たるかつて都市だった廃墟に人の気配はみじんもない。みんな理想郷とやらに行ってしまったのだろうか。歩き疲れたので手頃な草むらにゴロンと横になる。羊の群れみたいな雲がのんびりと風に流されていく、そんな穏やかな秋の午後。#理想郷

10/31/2024, 1:54:25 PM