XXXX年X月20日
本部から指示が届いた。基本的にはこれまで通り、廃都の探索と情報収集に従事し、この地が廃都市となったーーこの都市の住民が忽然と消失した怪現象の原因究明を行う。これは想定通りだ。
ただし、一点。従来とは異なる事項が追加された。
増員だ。本部より職員一名を補佐として送るという。
すぐさま危険性を訴え考え直すべきであると進言したが、本部の決定は覆らなかった。ただでさえ人間の消失という危険な現象が発生する上、更に『幻創病』とその化物について報告をしたところだというのに。彼らは一体何を考えているのだろうか。
増員として記載された見知った名前が憎らしい。
諦めませんから、などと捨て台詞を行って私がさよならを言う前に部屋を出て行ったあの後輩だ。こいつもこいつで何を考えているのだろうか。
8/20/2024, 11:40:34 AM