手を繋いで歩いていく。
ここがどこなのか、どこにいくのかは分からない。
ただ繋ぐ手の熱が、自分にとっての唯一で、すへてだった。
目を覚ます。
まだ薄暗い部屋の天井をぼんやりと見つめながら、低く息を吐いた。
夢を見ていた。
一本道を、手を引かれながら只管に歩いている夢。
辺りは暗く、手を引く誰かの姿すら見えない。覚えているのは、引かれている手の熱くらいなものだ。
繋がれていた手を上げ、目の前に翳す。
今は繋がれていない手。だが夢の中では、確かに繋いでいた。
もう一度息を吐いて、手を下ろす。
変な時間に目が覚めてしまったせいで、夢と現実との区別がはっきりとしないのだろう。
そう結論付けて、目を閉じる。
もう一度夢に落ちていく刹那、するりと誰かに手を繋がれた感覚がした。
11/23/2025, 9:13:18 AM