John Doe(短編小説)

Open App

消えない光


ときどき、いや、最近は、よくこう思う。

『僕はどこへと進んでいるんだろう』と。

死に向かって歩いているのだとしたら、それだけが生きる理由なら、人生は恐ろしく退屈極まりない暇潰しだ。そんなもののために、僕は生きているのだとしたら、今すぐにでも死んでしまうだろう。そして、神を呪ってやる。

20世紀にこんな歌が世界で流行っていたそうだ。

『ここにはいつまでも消えない光がある』

光。

それは、輝いてはいるけど。

うすぼんやりと。

それは、希望の光じゃない。
少なくとも、この歌は希望を歌っていない。絶望の中にだって光はあるのだから。

僕の中にも、消えない光がある。

静かに暗闇の中で揺れる、絶望と希望の狭間を行き来するような、不安定な光が。

10/7/2023, 11:05:13 AM