寸栗睦栗

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「距離」

近づくことはないのです。
せめて、魚が、水の中で生きる様に、雨が降れば、アスファルトが濡れる様に、必然であれば、諦めがつきましたか。いいえ、そうではないでしょう。
必然であれば、私は貴方を、貴方は私を、知ることはなく、ただ飯を食い夜に寝て、朝寝坊をするだけ。
其処にほつれはありません。
それでも、出逢ってしまいましたから、こうも惜しくなるのでしょう。例え、其れが、ひとつの傘に納まるほどであっても、よもや同じ土を踏んでいなかったとしても、私は同じだけ焦がれました。
それでも、近づくことはないのです。

12/1/2023, 12:51:12 PM