晴道花架

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「子供のままで」

掌を翳す
何も掴めない膨れた指から目を逸らし
何気ない素振りで肘を上向かせ

弾けて消えるシャボン玉のような瞳に
そっと押し付ける
弾ける感覚に怯えて
すっかり伸びてしまった爪を立てないように
暗闇に閉ざされて、笑う声がする
分厚い手の甲を突き破る嘲笑

嗤う、嗤う、嗤う
幼い私から、誰でもなくなってしまったあなたへ

誰にでもなろうとして光を失くした
一体何がしたかったんだとか
見下ろす旋毛が偉そうに喚いている
震える影は絶望しただろうか
散々啜った汁の味すらもう分からなくなって
ああ、煩いなぁ
握り拳を振り下ろした

本当は優しく撫でたかったけれど
ごめんなさいの一言すら、吹けば飛ぶ泡でしかない

5/12/2026, 2:21:51 PM