YOU

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海岸に座り、海をオレンジに染めながら沈む夕日をキミと眺める。
「キレイ」
「キレイだね」
打ち寄せる波の音を聞きながら、夕日が見えなくなるまで、ただ静かに見つめる。
「沈んじゃったね」
沈む夕日を見送ると、辺りを闇が包み始める。
「なんだか、寂しいなぁ」
膝に顔を埋め、キミはつぶやく。
「そうだね。でも」
俺はキミの肩を抱き寄せ
「沈んだ夕日は、また明日、元気な姿を見せてくれる。俺もそばにいるし、そんなに寂しがらないで」
頭を撫でると
「ありがと。夕日が沈むと今日の終わりが近づくでしょ。そうすると、あなたと一緒にいられるのも、もうちょっとになっちゃう」
顔を上げたキミにかわいいことを言われる。
「なら、少し砂浜を散歩しよう。俺もまだ一緒にいたいから」
腰を上げキミに手を差し出すと、その手を取りキミも立ち上がる。
「行こう」
手をつなぎ歩き出した俺たちを、夜空を照らし出した星たちが見守っていたのだった。

4/8/2023, 8:50:41 AM