レイ

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砂糖の甘さ。

ザラッとした食感。

目をひく小さくて鮮やかな粒。


ひなあられのかわりに、色とりどりの金平糖を。



手にのせられたそれは、一粒一粒が淡い光をまとって

お雛様やお内裏様より、特別な存在。



白色、桃色、黄色、黄緑色、水色、薄紫色。



まるで夢中でカメラのシャッターを切った瞬間のような
高揚感。



いつだったかも思い出せないくらい、小さな感動。




いつからだろう。


一日一日に「色」を感じることさえ、いつの間にか忘れてた。


外はもっと色に溢れていたのに。
雪踏む音も、夜空を流れる雲の速さも毎日違うのに。
今は素直に世界を楽しめない。



夜を暗闇に感じる今は、まだ。


あの高揚感を取り戻すまで
目に見える世界を、自分がいる日常を
怖がらず受け入れていこう。





3/4/2023, 7:13:48 AM