たまお。くん♂

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No.5
お題「朝日の温もり」
「おはよう」
誰もいないのに、なんとなくそう呟いた。
この部屋には、朝日が良く入る。いつもなら憂鬱で仕方ない朝だが、今朝は何故か悪くない目覚めだ、体が軽い。
窓の隣で寝ていた僕の布団は、なんだか少し暖かい。
朝の寒さを感じない、暑苦しくもない、心地よい暖かさ。
目を細めるほど眩しい朝日だが、不思議と鬱陶しさは感じない。
調子に乗って優雅にコーヒーを淹れてみたり、普段外に出ないのに散歩に出かけようかと考えてみたり。
この温もりで、重たい鬱々しさもなんだか少し、軽くなった気がする。
「もうこのまま死んでもいい」
そう思えるほどに、心地よかった。
この温もりに、ずっ浸っていたい。

6/9/2024, 2:12:41 PM