届かぬ想い
「やばい、やばいどうしよう」心臓が爆発しそうな程波打っている。流聖は中学校で毎年行われる作文の弁論大会の代表を決めるため国語の授業で一人ずつ発表する事になっていて次が流聖の番なのだ。やばいやばい。流聖は、人前で話すことが大の苦手なのだ。幼い頃から大人しく人見知りな性格であまり人と話せず小学校の頃から今まで友達は一人もいなかった。そして流聖の番になった。「次は、流聖君ね!どうぞ」と先生が言った。緊張でガチガチの流聖は、みんなの前にたった。「………」原稿を読もうとしたけれど一言も言葉が出てこなかった。下を向いて黙ったまま何もいえずに居た流聖に先生は「みんなは恥ずかしくてもちゃんと発表しているのに何故あなたは出来ないのっ?もういいわ、席につきなさいっ!」とみんなの前で怒鳴った。流聖は下を向いたまま涙が出そうになるのをを必死に堪えていた。そして流聖以外で代表決めが行われた。流聖は、発表出来なかったから代表決めに参加させてもらえず流聖が意見を言っても先生に「発表もできないような子はあっち行ってなさいっ!」と怒鳴られ流聖の意見など一つも聞いてもらえなかった。
〜明日に続く〜
続き:
発表会の次の日流聖の周りで数人の男子が言った。「流聖、昨日は大丈夫だったか?あの先生やけに厳しいからさ。俺達知ってるよ、お前が発表会の前日に家で何度も人前で発表する練習していたの。お前が普段大人しくてあまり喋らないし、教室でもいつも一人ぼっちだったから発表会をするって言われた時心配でこっそりお前の家へ見に行ったんだ。そしたら練習している姿が窓から見えたからさ。流聖があんなに努力していたのにひでぇよなぁ、あの先生、だから気にすんなよ」流聖の肩に優しく手を置いて数人の男子は言った。「うん、ありがとうみんな」僕が練習していたの知っていたんだ。僕の努力はクラスメイトにちゃんと届いていたんだ。みんなの思いが嬉しくて泣きそうになった。
4/15/2024, 12:28:12 PM