私はよく優しいと言われる。
だから優しいフリをする。
本当は冷たくて嫌な人間なのに、
優しい人を無意識に傷つけてしまうのに。
自分の中のなにかは
ずっと隠してることを言ってくる。
あんなやつ、どうでもいいだろ。
悩みとか聞いてんなよ、こいつの事嫌いだろ。
笑ってんなよ気持ち悪い。
耳を塞いでも鳴り止まない。
ヘッドホンをつけて
現実を遮断、遮断、遮断。
流れてくる音は
飽きない4月みたいで
心が少し温かくなる気がした。
この冷たさをどうにか温めたくて
たどり着いたヘッドホン。
命の次に大事なもの。
そのヘッドホンを無くしたことがあった。
普段優しいフリをしてるからか、
探してくれる人は沢山居た。
でもその中に
優しさは入ってなかったと思う。
本気で探してくれたのは、
見つけてくれたのは、
君だった。
にゃあと少し鳴いてから
私にヘッドホンを渡してくれて。
ある日
大雨で川が氾濫して
家が流されちゃって
どこに行けばいいかわからなかったんだ。
でも君は私の服を噛んで引っ張って
安全そうな草原まで連れてきてくれた。
君も怖かったはずなのに
本当の優しいを持ってる君の背中は
頼もしくて、ついつい持たれちゃって
星屑が散りばめられた夜空を見て
こう言ったんだ。
"Good Midnight!"
2/9/2025, 10:31:29 AM