ジリジリと首筋が焼ける感覚と蝉の雨、抜けるような青空…
なんて夏はもう幻想で。
上からも下からも蒸され猛暑故か虫の声はせず、空なんて眺める余裕はない
都会よりは比較的マシなそれを抜け、君の前に立つ。
途中で立ち寄ったコンビニで買ったソーダはすでに砂糖水と化していて
指に引っ掛けていたビニール袋からライターを取り出し、青い雲の線香に火をつける
もう嗅ぎ慣れた沈香の香り、独り言に応えはなく
灰色に彫られた、盛夏の向日葵のような名前
あんなに聴いていたのに
もう声が思い出せない
ぬるい炭酸と無口な君
8/3/2025, 12:23:46 PM