ホームに降りる頃にはすっかり日が落ちていた。予報通り雨はやんで、どこまでも曇り空が続く。
改札を抜けてから、手に持ったままの折りたたみ傘を一度開いて畳み直した。湿気を吸ってしなびたキャベツのようになった布地に均等に折り目を施してスナップを留める。季節の変わり目なのだからある程度降るのは仕方ないとしても、去年こんなに降っただろうか。君とであって出掛けた同じ季節に、雨に降られた記憶はなかった。
たった一年。
君とであってまた離れるのに費やされた短いとは言えない歳月。いろんなことがありすぎて、今までと同じ呼び名ではとても釣り合いが取れなかった。
雲が風に流されていく。切れ間に小さな光が瞬く。一番星を探しながら手を繋いだ同じ道で。
厚い灰色のにあの日見た夜空を思う。シャラシャラと星の鳴る音が、はぐれてなお私に告げる。
君を知るための孤独なのだと。
『星空の下で』
4/6/2026, 9:55:23 AM