"君と一緒に"
春の真っ最中、桜を見下ろして感慨深くなっていた。
今は昼ではなく真夜中で、街灯だけが散る桜を照らしている
やっぱり、見上げる方が好きだと君は言った。
私もだと言おうとしたけれど、桜に君が攫われそうになるのでこっちの方が好きだと思い至る。
そんな儚い君に選ばれて光栄だなんて言ってみる
突然の言葉に驚いた君は、今から同じになるんでしょうと笑った。
揺れる髪と瞳が変わらず愛しくて、冷えていく脳裏と裏腹にふっと頬が赤らむのを感じる。
ただずっと、この時間が続いて欲しいとさえ思った。
私は、それが叶わないのを知っている。
差し出された君の手に、そっと私の手を乗せて握られる
私たちは桜と一緒に儚くなった。
1/6/2026, 11:16:21 AM