本日3月1日で、連載風で続けているこのアカウントも、初投稿からまるまる3年。
日数としては1096日。まったく遠くの街というか、遠くの投稿期間まで来たものです。
と、いうハナシは置いといて、3年目最後のお題のおはなし、はじまりはじまり。
「ここ」ではないどこか、別の世界に、世界線管理局なる厨二ふぁんたじー組織がありまして、
その敷地内には文字通り、地球規模にデカい移民シェルターが、
主に、滅んだ世界からこぼれ落ちた難民のために、
美しい自然と豊富なレクリエーション、レジャー施設と多種多様な住居環境が、
それぞれ、用意されておりました。
「きしゃぽっぽ!きしゃぽっぽ!」
今回のお題の回収役は、新しく難民シェルターの使用を期限付きで許された、都内在住の稲荷子狐。
立派な稲荷狐になるために、管理局に最短1年、週休完全2日の、修行に出されたのです。
「きしゃぽっぽ、たのしいなあ」
稲荷子狐はコンコン、シェルターの中に作られた、局員専用寮の山間タイプに移動中。
滅んだ世界のチート技術で整備された、滅んだ世界の蒸気機関車風レトロ列車で、
どっどっど、ゴシュゴシュゴシュ。
遠くの街へ、向かいます。
「あら、新しい難民さん?」
難民シェルターで難民人生をドチャクソに謳歌しておるウサ耳獣人と、
「えろう災難じゃったべの。けんどココに来れば、もう安心だきゃん」
同じく難民シェルターで難民タコ生をバチクソ謳歌しておる宇宙スライムが、
それぞれ翻訳機を使って、子狐に話しかけます。
「キツネ、ナンミンじゃないもん。
キツネ、カンリキョクに、しゅぎょーに来たの」
子狐は尻尾をぶんぶん!
宇宙スライムとウサ耳獣人のボックス席に行って、
くんくん、くんくん。魂の匂いをかぎました。
わあ、人間じゃないぞ。
子狐は思いました。
東京と違って、人間じゃないひとが、そのまんまの姿で何も隠さないで、汽車に乗ってるぞ。
本当に遠くの街へ––遠くの世界へ来たんだなぁ。
都内在住の稲荷子狐はコンコン、新しい世界に心を踊らせました。
どっどっど、ゴシュゴシュゴシュ。
レトロ列車は子狐と、その他の乗客たちを乗せて、山間ルートをゆっくり走ります。
人間じゃない乗客が乗っている車内、東京では見かけない木々に大きな大きな河川と花畑。
キラキラお目々で車窓を眺めておると、子狐は山の中に開けた屋外キャンプ施設で、
誰でしょう、すごく見慣れた野郎1人とヒョロヒョロ見知らぬお兄さん1人が、ドラム缶風呂など体験しておるのを見つけました。
「なんだ、なんだ」
「難民と管理局員が無料で使えるキャンプ場よ。
坊や……お嬢ちゃんかしら?子狐ちゃんも、申し込めば使えるのよ」
「ちがう、あれ、アレ。なぁに」
「そこの滝行してるマッチョふんどし?」
「ちがう。ちがう。あそこ」
コンコン子狐が聞きたいことは、ことごとく聞けなかった道中ですが、
それでも、いろんな景色を見て、いろんな車内サービスを楽しんで、おしゃべりもいっぱい。
だいたいそれから1時間程度列車に揺られて子狐は、ようやく自分の新しい住処がある遠くの街へ、
ゆっくり、ゆっくり、到着しました。
ここから1年、子狐の修行が始まるのでした。
ここから1年、子狐の冒険と探検と、お仕事の手伝いと美味探訪が、始まるのでした。
3/1/2026, 4:18:29 AM