霜月 朔(創作)

Open App

後悔


あの時。
私は、一時の怒りに駆り立てられ、
お前に別れを告げた。
お前の事なんか考えもせずに、
お前に酷い言葉を投げ付けた。
そして、私はお前の元を去った。

…後悔している。
お前の想いも考えも、二人の歴史も、
自分の中のお前への想いさえ、蔑ろにして、
お前との繋がりの全てを断ち切った事を。

そして、今も尚。
後悔を抱えたまま、
お前に近付く事も、お前を見る事も、
お前の事を思い出す事さえ、
避け続けている。



あの日。
君は、私に激しい怒りをぶち撒け、
私に別れを告げた。
一方的に私を責める君に、
私は、何も言う事が出来なかった。
そして、君は私の元を去っていった。

…後悔してる。
未練がましいのは、格好悪いからと、
君を手放したくないと、縋る事もせずに、
私の元から去りゆく君を、黙って見送った事を。

そして、今でも。
後悔を抱えたまま、
君に声を掛ける事も、君に近付く事も、
君をそっと見つめる事さえ、
出来ずにいるんだ。

5/15/2024, 3:34:28 PM