思い出

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変な時間に目が覚めてしまった。

夜中の四時、私はパッと目が覚めてしまった。
もう一度寝直すにも眠れない。諦めて、ベットから出る。

スマホを見て、何か通知の一つでも無いかと確認する。
…何もない。いつもなら、SNSの何かしらの通知があるのにこんな時に限って。電源を落とし、ため息をついた。

暫く、何をするかとベットの上で思案しても駄目だ。
肩を落とし、ぼうっとしていると、ブブッとスマホが震えた。咄嗟に手に取り、相手を見る。

「ねぇ、起きてる?」

その言葉を見て、頬が緩む。ああ、ホントに相性が良い。

〔ナイス。めっちゃ暇してた〕

直ぐに既読を付け、返信を送る。
相手も暇らしく、直ぐに既読が付いた。

「まじ?流石」

何が流石かは分からないが、取り敢えずスルーをした。

〔ホント相性良いね。タイミング良すぎ〕

そう送ると、スタンプでグッドと返ってきた。
その後も他愛の無い会話を続ける。

暫く経っただろうか。彼との会話の最中に、[おはよ]と、
連絡が来た。

スマホ画面の上にある時計を見ると、もう六時半だ。
彼との会話があまりにも楽しくて、気付かなかった。

〔もう六時半、一旦準備するから切る〕

「りょーかい、僕も準備するね。また、家の前で。」

グッドのスタンプを送り、スマホを机に置き、充電をする。
そのまま居間に向かい、おはよ、と挨拶をして顔を洗いに洗面台へ向かった。

いつもよりずっと早い朝、暇でしょうがなかったけれど、
夜明け前の奇跡に、救われた。

9/13/2023, 10:49:15 AM