かたいなか

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先週16日から続いておった昔々のおはなしも、
前回投稿分で、ようやく終了。
これからは昔々の「ここ」ではないどこかから、
最近最近の都内某所に、
おはなしの舞台を、戻しましょう。

最近最近、都内某所の私立図書館で、
後輩もとい高葉井という名前の女性がぐーすぴ、
昼休憩中に寝ておりました。
「んん、ぐぅ」

お題がお題なので、
高葉井は、こんな夢を見たのでした。
それはそれは不思議な、こんな夢を見たのでした。

『なぁんでもっと早く起こしてくれなかったの!』
高葉井はどこか、高葉井の知らない廊下を、
全力で、息を切らしながら走っていました。

『俺がいなけりゃロクに早朝管理もできんようなガキだとは思わなかったんだよ、お嬢ちゃん!』
高葉井の前を走る男性は、逆光で顔が見えません。
声はだいたい30代か40代。
推しの右側に似た声なのに、推しより若い声です。
高葉井自身にも、彼が誰なのか分かりません。

『きぃー!ガキって言ったわね!』
『あぁ言った!かんしゃく起こしてるヒマがあったら走れガキ!』

逆光のなか、高葉井は知らない誰かと一緒に、
どこかへ向かって全力で走って、
『痛った!』
バタン!大きな音を響かせて、転びました。

『チッ、……世話の、やける!』
『ぎゃぁっ?!』
逆光で顔の見えない誰かは、高葉井を横抱き、
すなわち「お姫様抱っこ」のシチュエーションで、
抱えて、そのまま、全速力。

『ひねったか?!』
『へ?』
『ころんだとき、足を捻ったかと聞いてるんだ!』
『え、多分、違う、』

『多分?!』
『ひぃい?!』

え、なにこれ。
高葉井はこんな、夢を見たのでした。

『え!部屋、ひとつですか!』
カンカンカン!
階段を駆け上がり、高葉井と誰かが屋上へ出ると、
ヘリポートでは、ヘリのプロペラのローター音が、スタンバイ状態の回転数で比較的控え目ながら、連続的に騒いでいます。

その音源から離れた地点では、これまた逆光で顔の見えない誰かが携帯端末で、
誰かに、連絡をとっていました。

『あ、いえいえ、ご用意頂けただけで、感謝です!はいっ!……はいっ、……ではこれから向かいますので、到着は6時半から7時頃かと!……はぁい!
失礼しまぁす!』
その声も、30代から40代くらいの男性。
一緒に同じ私立図書館で仕事をしている、つうき、「付烏月」という男に似た、
でもちょっと違うような気がする声でした。

ヘリの近くで電話をしておった逆光と、高葉井の目が、なんとなく合ったような気がします。
『すまない、遅れた!』
高葉井の頭の上で、推し右モドキの声がしました。

見られてる。
付烏月さんモドキさんに、みられてる。
ここに至って、夢の中の高葉井は、赤面しました。

『ちょうど30分だよ。大丈夫。……で、えーと?』
『寝坊して、すっころんだ。転倒理由は知らん』
『あっ、そういう。
わぁ。こりゃ頭から湯気出ちゃってるねぇ。こいつに惚れちゃった?惚れちゃった〜?』
『ちが、っ、んなワケないでしょっ!!』
『つんでれ?』

『………ッ!!』

すっぱぁん!!
付烏月モドキを引っ叩いたところで、
高葉井、ようやく起きました。
「ん? ん?」

気がつけばそろそろ休憩時間も終わり。
けっきょく逆光の人物が誰だったのか、
どのようなシチュエーションであったのか、
高葉井はサッパリ、分かりませんでしたとさ。

1/25/2026, 3:00:00 AM