廃屋の隅に息を潜める。埃まみれの寂しい板の間に座れば、我が家のような心地よさ。割れた壁の隙間、隙間、隙間を眩しい光線が貫いて、漂う塵を星のようにきらめかせた。
朽ちた天井をくぐってのぞく空は、高すぎるほどに青く、はねつける熱で肌を拒む太陽など、直視できるはずもない。うなだれた胸の内を抱え、瞑った目のまま私は祈る。
墜落せしませ、イカロスよ。
傲慢な勇気と、敬虔な好奇心にあこがれて、私はこんな薄暗がりで君を待つ。羽もないのに、腕を広げて。
【日差し】
7/3/2023, 3:08:57 PM