アクリル

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待ってて


ふと目が覚めた。

どこか怯えをはらんだ手つきで
君が私のシャツを掴んでいた。
まるで子供みたいに
行かないで、って言いたげに
小さな顔を首元まで埋めて離れない。

さらさらとした髪をそっと撫でて、少し震えている体を受け止める。

「どうしたの」

しばらくして、掠れるような、小さな声が返ってきた。

「こわい夢、みた」

午前3時、朝はまだ遠い。

私はその細い体を毛布でふわりと包み、あやすように抱きしめた。

「ここにいるよ、次の夢で会いに行くよ」

2/13/2023, 1:45:20 PM