星藍

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私は彼が好き。容姿も性格も、勿論好き。それ以上に私の名前を呼ぶ彼が好き。私を見てくれる彼が好き。でも…私以外の誰かを見る、あの目だけは好きじゃない。

私はわかってる。彼とはそんな関係になれない。
わかってる。私はただの女友達で、相談役でしかなくて、私よりもっと可愛い子に惹かれてしまう。

…そうよね、あの子の方がかわいいものね。

心の中で、私は自分に言う。わかってる、私はそうはなれない。彼の好みで居ようと、努力したのに空回り。私の変化にすぐ気付くのも、私の好きな物を知ってるのも、とっても嬉しいけれど、彼にはきっと私以外の誰かの方が幸せだから。だから、私も夢を見る。夢の中だけで、まだ満足出来るから。

いつか、私を見て欲しいけれど…
貴方にはきっと、私よりも似合う人がいるから。
今日も私は、1年に1度しか逢えない彼に、キンセンカの花を贈る。

7/20/2024, 11:59:26 PM