その女の子は
傷だらけだった
刃物をあてた 細長い傷
深い闇を抱えている 心
声はかぼそく
今にも切れてしまいそう
瞳は 蜘蛛の巣のように 散らばり
いつもマスクをしている口もとは
想像すらできない
この子の笑顔は
さぞ美しいのだろう
なんの根拠もなく
そう感じた
いつかこの子の笑顔を
見たい と
2度目に会った時
一瞬クスっと笑った
3度目、何度も笑った
4度目、いきなり泣き出した
5度目、しっとりしていた
6度目、笑顔が戻った
7度目、ケラケラ笑った
そしてマスクを取った
数ヶ月をかけて
やっと見ることができた
その表情は
美しく
柔らかく
清らかだった
一枚ずつ重ねてきた
少しずつ
少しずつ
笑顔になっていいんだよ
怖くないよって
うっすらと
想いをのせて
気付かれないように
そっと そっと
あなたは
幸せになっていい
あなたは
価値のある人間だよ
そしてこれからも
ひらひら
舞い落ちる
あなたの上に
一枚一枚
そっと そっと
想いをのせて
ひらひら
そっと
ずっと
12/21/2025, 10:37:10 AM