安らかな瞳でわたしに微笑みかける君はひらひらと飛んできた蝶を優しく捕まえて小さなかごの中に入れた。わたしに向けていたものとそっくりの安らかな瞳で。この蝶は、死ぬまで君の腕の中でいきていくのだろう。いいな、と思った。うらやましい、と思った。きみの瞳に刺されて殺されたい。しぬまで君の腕の中でいたい。そんな気持ちを隠しながら君の隣を歩く。きみの腕の中のわたし以外のいきものを見つめながら。
3/14/2024, 1:11:42 PM