題名:時を止めて
「ねぇ、もし時が止められたら何をする?」
その子は誰かに質問する。声からして、明るい人だろう。
「うーん、テストのカンニングをするかな。だって昨日、テスト結果が悪くてお母さんに怒られちゃったんだもん。」
質問された子は最初は苦笑をしていたが、次第に口をへの字に曲げた。
「えー?ずるいよーそんなのー。」
その子は不満げに言った。
「じゃあさ、時が止められたら何をするの?」
ずるい、と言われた子はそう質問した。
「それはね、好きな人にハグしたり、告白したりする!」
その子は恥ずかしげに言った。
「へー。でもそれって、好きな人に伝わらないじゃないの?」
質問した子は言った。頭の上にはきっとクエスチョンマークがある。
「そうだよ。だって、前に同じことしたんだもん。だけどね、やっぱり分かってもらえなかったみたい。」
その子は寂しげに言った。
「ほらー。ちなみに好きな人って誰?」
質問した子は言った。ニヤリと笑っている。
「それはね───」
その子は誰かの名前を言う。
僕の、名前では無かったようだ。
また僕は失恋した。
11/6/2025, 9:17:32 AM