ミキミヤ

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親愛、友愛、敬愛、性愛、恋愛――愛情の名前はたくさんある。

私があなたに抱いている愛情の名前は何だろう。

はじめは、きっと友愛だった。ただ純粋に友人として、あなたが大好きだった。他の友人とあなたと、一緒に話す時間は楽しくて、いつまでだって話していたいと思っていた。

それが、ある時から変わった。あなたが他の友人と話していると何故か苛立った。私があなたの一番でいたくて、友人に嫉妬したのだ。
自分の嫉妬心に気づいたとき、戸惑った。それまで私は友人に対してそういう感覚になったことがなかったから、自分があなたに抱いている感情は本当に友愛だろうかと、疑問に思った。もしそうでないなら、この愛情はいったい何だろうかと悩んだ。
あなたへの気持ちを改めて考えてみた。あなたに触れたくて、独り占めしたくて、自分だけを見てほしくて……。これは恋愛ではないかと思った。あなたと私は同性なのに、そんなこと思っていいのか、また悩んだ。

そんなモヤモヤを抱えながら、何年もあなたと過ごしていた。あなたから私に向けられる愛情の名前は友愛だということに、苦しんだ。私と同質の愛情を私に向けてほしいと思っていた。

そうして長く過ごすうちに、あなたに触れたいとか、独り占めしたいとか、そういう激しい気持ちはほとんど無くなった。相変わらずあなたの一番でありたいという気持ちは大きかったけれど、あなたが他の友人と遊んだ話をしても、あまり苛立たなくなった。むしろ、楽しそうに話すあなたを見ていると、私も楽しい気持ちになった。
自分があなたにどう思われているか、自分があなたをどう思っているか、ということよりも、あなたが幸せであるかどうかが、何よりも大切なことだと思えるようになった。その幸せを私が与えられたら、最高だとは思うのだけれど。

今、私があなたに抱いている愛情の名前は何だろう。
私は、その答えを持たない。

依然として、恋愛のようであるところもあるし、友愛であると思えるところもある。
答えが出せず、揺れたまま。

今は、答えは出せなくてもいいと思っている。
たとえ同じ名前の愛情ではなかったとしても。
私があなたを愛し、あなたもまた私を愛してくれていると確かにわかるから。
それだけでいいと、今は思うのだ。

11/28/2024, 8:37:30 AM