「俺の心臓あげるから、コイツを生き返らせてください」
絶望の底でそう祈った矢先。
突然、空からまばゆい光が。
思わず目をつぶる。次に開けたとき、そこには光を纏った、人…が浮いていた。
『いっすよぉ』
脳内に直接語りかけてきた。ノリが軽い。
「いっすよって、誰ですかあんた、」
『神様です』
「神様…?」
『そ、神様』
言い終わるや、両の腕を広げる。腕の周辺の光の群れが散らばった。
『さて、神様であるこのワタシが、愛するこの世界の住人を蘇らせてあげましょう!それっ!!』
「神様」が、冷たくなった身体に手をかざす。
穴のあいた胸は元通りになり、肉体は静かに呼吸を始めた。
一方、自分の心臓はなんともない。
『さーぁこれで終わり!貴方最初、自分の心臓を捧げようとしたでしょ?でもワタシそういうのすごーく嫌だったので、かわりに貴方の寿命をいただきました!お二人の寿命を調整したので、まーったく同じ時間に死ぬことができます!』
「なんで…」
『なんか~、お二人はひじょーに強い縁で結ばれているんですよね、でも今、一度千切れたんですよ、この子の死によって。でもでも、お二人の縁、将来さらにさらに強くなる予定だったので、ワタシそれを是非見たくって!ですからこれは特別です!甘んじて受け入れるように』
言うだけ言って、「神様」は光を振り撒き去っていった。光の群れが空に吸い込まれる直前、
「では、これからの人生を楽しんで!
…これくらいしたっていいですよね、神だし」
という声が、耳に届いた。
【神様が舞い降りてきて、こう言った。】
7/28/2024, 2:31:31 AM