君と出会った冬が、今年もやってきた。
いまだに私の心を掴んで離さない君の笑顔が、声が、
恋しくて仕方ない。
君が私を忘れると勝手に決めてしまった日から、
もう何年が経ったんだろう。
夜空から舞い落ちる雪を見ると、
私は今でも君を思い出してしまう。
この雪の冷たさのように素っ気なくて、
いつ降るかわからない雪のように気分屋で、
その存在ひとつでいつも私を楽しませてくれた人。
そっと降り積って消えていく、
君のその不器用な優しさが私は好きだった。
"捨てないで"
あの時私が流した涙は、きっと君には届かなかったのね。
だって冬は毎年必ずやってくるのに、
君はあれから一度も私の元には戻ってきてくれないもの。
それでも私は、ここで君を待ってる。
私が前を向く理由がここにある限り、ずっと。
『雪を待つ』
12/15/2024, 2:48:30 PM