『夢の断片』
夢のカケラが流れ着く場所では、それが結晶化し、無数の光る断片となって堆積していた。
それは誰かの「こうありたい」という願いの残骸。
あるものはキラキラと輝き、あるものは暗く重たく、鈍い光さえ持たずに澱んでいる。
私たちはその浜辺を歩き、自分のものではないカケラを拾い集める。
そして夜が来る前に、それらを再び海に投げ返すのだ。
そうすることで、夢は再生される。
ただひとつ、注意しなくてはならない。
ここでは他人の夢を受け入れた瞬間に、自分の夢が色褪せてしまうのだ。
だから私たちは投げ返すだけ。
誰かの夢は誰かのもの。
私の夢は私のもの。
11/22/2025, 9:57:43 AM