巡り逢い
君との想い出の路地を、
君の影を探して、独り歩く。
自分自身にさえ、
それと、知られぬように。
落ちる雨が、冷たく肌を打つ、
傘も差さずに歩く街角。
一瞬、視線が交わる、
君との、巡り逢い。
それだけで、胸は震えた。
でも、君は目を逸らし、
足早に過ぎ去っていく。
まるで、私の存在など、
なかったかのように。
君の眼差しの先には、
きっともう、私などいない。
それでも、私は、
君の足音を待ってしまうんだ。
花が散り、木の葉が落ち、
季節は何度も巡るのに、
私たちの時間は、止まったまま。
それでも、あの日から、
ずっと色褪せない、
君への想いと愛しさは、
氷の中に閉じ込められたみたいに、
身動ぎすら出来なくて。
星が瞬く夜に願うのは、
偶然を装った必然の巡り逢い。
再び君と紡ぐ、新しい物語。
叶わない願いだと、分かってる。
それでも、私は待ち続けてる。
再び、君と私に、
巡り逢いが訪れる日を。
4/25/2025, 8:29:45 AM