開けないLINE。
ただ気が向かないだけかもしれない。でも、それも、未読の理由の一つになり得るのだ。
私はまだ信じていた。君が、私の期待通りで、意思に反さず、忠実で誠実であると。この手元にある機械なんかで、現実をすり替えられる事は無いと。
僕はいつも恋をしていた。見目に惚れ、口調に惚れ、思考に惚れ、その言葉に心を打たれた。それがただの鞭でも、布団に包んだ鉛でも、ドブに埋まってしまった宝石のように感じた。
多分きっと、只々単純で、無垢で潔白で、愚かだったのだと思う。自分の中にあるモノ以上を疑わず、無いものとして目を閉じた。
誰の警告も聴こえず、季節の音すらも忘れた自分に、残るものがあるのかも、考えられなかった。
一度開くと既読の付くLINE。いくら長押ししても目に映ってしまったモノに変わりは無い。
向き合おう。と、簡単に言う。
でも、だって、どうしても、それはむりだ。
ならば捨ててしまえば良い。そんな機会は。
9/1/2024, 3:02:10 PM