「お別れ、しよっか」 そんな予感はしていた。「そ、だね」 僕は視線を落として、そう答えるしかないんだ。 あっさりと離れていく彼の背中がぼやけた。 ああ、通り雨でもいいから降って、僕を隠して。 この涙を涙だとは認めたくないよ。 だって、認めてしまうと彼との思い出が否定されていくようで。─通り雨─ #77
9/27/2024, 2:46:18 PM