ブチ柄のカレンダー。
あの夏祭りの日から
私の月日は止まったままだ。
いつまでも幼く
花火を見てる。
りんご飴をかじる音が人声にかき消された
賑やかなお祭りだった。
私は人酔いしやすかったので、
端っこに座ってばかりだった。
しかも私は目が悪い。
3年ほど前から急に見えにくくなったのだ。
メガネが無いと人にぶつかってしまう。
ヨーヨーを手首にぶら下げた友達を横目に
ずっとりんご飴をかじってた。
目の前でドカーンッと大きな花が
夜空に咲いたが、
終わる頃には
私の世界から光が無くなっていた。
目が見えない。
真っ暗で孤独。
さっきまであんなに明るかったのに。
それからどうやって家に帰ったかも、
どうやって今まで生活したかも
全然わからない。
"Good Midnight!"
と、
眠ってから
今も見るのはあの日の夢。
花火が光っていて、
人の声と屋台の匂い。
りんご飴の味。
全てが鮮明に思い出せてしまう。
もう一度光を見たいとは思わない。
五感の1つを失ったって、
あと四つも残っているのだから。
人生は簡単に終わらない。
こんなところで終わったら
もったいない。
もっと楽しんでいこう。
9/11/2024, 10:46:45 AM