いつからだろうか。
視界から色が盗られたのは。
___ボクの住んでる町では、『視界から色が無くなる』という奇病が発生している。
ボクも、発症してしまった。
そのことを知った時、ボクの目の前は真っ暗になった。
赤も、青も、黄色も、緑も、何もかも、見えない。
医者は、『いずれ目が見えなくなる』と言った。
治療法も確立されてない今、ボクは実質終わり。
ボクの家には、何も置いていない、今は有っても無くてもいい部屋がある。
壁も、床も、白い。
全て、全て、白い。
ボク以外の人にも、これは同じなんだ。
だから、そこで絵を描くことにした。
『色』がわからないなりに、描けるものがあるかも知れない。
___目の前が、本当に真っ暗になるまで___。
『無色の世界』
4/19/2023, 8:46:17 AM