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心と心

心と心を重ね合わせるなんて出来ない
お互いの思っている事が100%分かり
合えないのと同じ様に・・・

でも 私は、それでも 貴方を
待ってる。.....

1時間 2時間 待ちぼうけを
喰らっても 諦めきれず
まるで ストーカーの様に待ってる。

「馬鹿みたい....」小さく呟き
瞳から 涙を滲ませる。

それは、やがて瞳から 洪水の様に
溢れて来て 後から 後から雫となって
頬に伝って行く。


「っ.....」せめて 声だけは、
周りに聞こえ無い様に 必死に
我慢する。

溢れる雫を手の甲で 一生懸命に拭い
周りに 怪訝な目で見られない様に
取り繕い 諦め掛けたその時

ポンっと肩を叩かれる。

「待った!」緩い笑顔を向けて
にへらと 私に声を掛けて来た
青年の胸を叩く

「待ったじゃない この馬鹿
遅くなるならメールしろ
ラインもしたのに 何も返さないし」


「いや~どうしても 仕事抜けられなくて
長引いちゃって それでも もう
帰ったかなあと思ってたから
だから 俺も帰ろうかなあと
思ってたんだけど... まさか 居るし」

私は、持っていた鞄で さっきより 更に
青年の胸を叩いた。


「帰ろうとすんな馬鹿! 私が何時間
待ってたと思ってんだぁ~!」

「何時間待ってたの?」キョトンとした顔でそんな事を言うから
また 腹が立って バシンと 今度は
鞄で青年の頭を叩く

「普通に質問して 聞いて来るな
馬鹿じゃないの!!」

「あの~さっきから俺 馬鹿 馬鹿しか
言われて無いんだけど....」

私は、青年を思いっきり 睨み上げ
バッと駆け出し 青年の胸に
飛び込んだ。

「えっ 何 何? ? ?」

青年は、キョロキョロと 目線を動かす。

「寒い 暖めろ 馬鹿!」

「ん~何か良く 分かんないけど
分かった。」青年は、私の背中に
自分の腕を回す。

そして... ぎゅうっと 私の身体を
自分の胸に閉じ込める。

その 力加減に 私の気持ちも緩む
そして 青年の胸の中で
はぁ~っとため息を吐く


両思いのはずなのに いつだって
一方通行 私の方が 怒ってばっか
彼の方は 友達の頃から 変わらず 緩い

私はもっと 彼との時間が欲しくてたまらないのに....


だけど こうして 抱きしめ合えば

彼が私を自分の胸の中に閉じ込める
この瞬間だけは、彼の心と私の心が
重なったと感じる。

この緩い彼氏が私の心より
もっと私を欲しがってくれる日はいつか
分からないけど...

「じゃあ行くよ!!」
「えっ!!帰るんじゃないの?」

「何言ってんのよ! 人を待たせといて
お店回ろうって言ったじゃん
まだ開いてるお店 探せばあるよ
行くよ!!」


「え~もう帰ろうよ~」

「ほら文句言って無いで歩く」
彼は、ぶつくさ付いてくる。

もう仕方ないなぁ~

私は、彼の腕を引っ張り手を繋ぐ
そうすると彼は、私に誘導されるまま 
付いて来る。

彼の心と私の心 全然噛み合わないけど...

だけど 心と心を近づけると
愛情の総量は、違うかもしれないけれど

やっぱり私は、最終的には、
彼に側に居て欲しいと願うのだ。

12/13/2023, 2:34:10 AM