例え、仲良しな3人組に見えたとしても、私たちには、見えない序列がある。
ヒエラルキーは社会だけではなく、学校にも存在する。
弱みをみせれば蹴落とされ、強者だけが手綱を握れる。
ここは、私立はなふさ女子学院。由緒正しいお嬢様学校だ。
制服は白いジャンパースカート。襟と裾には、群青色の花の刺繍があしらわれている。
歩く姿は百合の花。まさしく、この言葉が似合うような生徒しかいない。
――表向きは。
この学校は腐っている。6年前、ここでは殺人事件が起こった。表向きは事故として処理されているが、当時、学校に通っていた姉は言った。
「あれは、事故なんかじゃない。殺人だ」と。
それ以来、姉は喋ること無く、部屋に引きこもっている。
小学校からの親友の桃香と高校で知り合った杏奈は私の駒だ。
私をいじめた罰。想定外だったが、私は優しいから許してあげた。
もしも、私を裏切ったり、離れようとするれば、いじめ事案の露見は免れないだろう。表沙汰になるのは、それだけじゃない。叩けばいくらだってホコリは出る。
ここは腐っている。私も例外無く。
好意を表す言葉に隠された嫌悪、嫉妬、軽蔑。
私は今日も口にする。
「桃香、杏奈。大好き! 2人は私の大切な親友だからね」
だからね、私を裏切らないでね?
私の大切な親友(こま)たち。
【スクールカースト】【お題:好き、嫌い、】
6/21/2025, 8:59:36 AM