まにこ

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生まれた時から君をずっと探していた。
世界の裏側まで冒険したこともある。
それでも見つからない、君のこと。
そのうちに人としての生に終わりが見えてきた。
私は果たして君を見つけられるのだろうか。
「ずっとあなたといたよ」
耳元で語りかけられて気付く、君の存在。
嗚呼、そうだったのか。
私が生まれた時から、君は傍にいてくれたんだね。
そして私と共に朽ちていく。
何と愛おしく、そして哀しい存在なのだろうか。
「ありがとう、いつも一緒にいてくれて」
精一杯の感謝と皮肉を込める。
役割を終えた君は静かに目を閉じた。

3/15/2025, 2:32:52 AM