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「好きじゃないのに」
「またそんなこと言って〜いつもかっこいいとか言ってるくせに笑」
「いや、かっこいいと好きは別だから」
「同じようなもんでしょ笑しかも相手は先生ときた」
「もう、うるさいなぁ」


今年でようやく高校3年生になった私。1年生の時からずっと気になってる先生がいる。生物学のはる先生。別に好きとかそういうのじゃなくて、ただ純粋に尊敬している…多分。

先生はモテる。一ヶ月に一回は生徒から告白されるほどに。そんな先生のもに毎日放課後訪ねては特に用もないのに入り浸る。最初は用がないなら早く帰れと追い返されていたものの、今は何も言われない。それもここにいれるのは私だけ、他の生徒はすぐに返される。

そんな思わせぶりな態度が気持ちを揺るがす。先生を困らせたくない、それに叶うはずがない。頭では分かっているはずなのに、どこか期待してしまう。

「るりはほんと飽きずに毎日来るよな〜お前彼氏とか居ないの?笑」

こういう私のことだけを名前で呼んでくるとこ、やめて欲しい。

「いるわけないじゃん笑いたら毎日こんなとこ来ないって笑」
「ははっ、それもそうよな笑でもさ、さすがに好きな人の1人や2人くらいいるだろ?笑」
「いや、2人もいたらダメでしょ!笑」
「で、そこんとこどうなのよ?」
「ん〜、秘密?笑」
「なんでだよ〜笑」

言えるわけない、先生のことが…


言って欲しかった。俺のことが好きだって。
「好きじゃないのに…か。脈ナシね〜」

まぁ、生徒に手出したなんてバレたらタダじゃ済まないんだけどさぁ。嘘でも良いから好きって言ってくれないかな。



『好きじゃないのに』

3/25/2023, 3:32:36 PM