君の背中を追って
いつも君の背中を見ていた。
自分のことは後回しで、誰かのために奔走して。
ちょっと無理してでも、物事が上手く回るならそれでいいと思ってる。
そんなふうに、なんでもない顔で犠牲になるのが君だった。
もう少し自分を労わってあげなよ、って何度思っただろう。
でもそんなこと言ったところで、どうせ君は少し困ったように笑うだけで、何も変わらないのはわかってる。
だから言わない。
君が向かう先で、何かが壊れそうなら、そのあとを追って拾い集める。
君が無理をしてまで守ろうとしてるものを少しでも軽くできるように──って。
そんなの柄じゃないけどさ。
正直、面倒だって思うこともある。
オレは君みたいに、誰かのために動ける人間じゃないし。
それでも、オレは君を支えたいと思う。自分のことを大切にしない君の分まで。
頼られることは拒まないのに、頼ることは拒む君だから。
頼ってくれないなら、それでいい。
その代わり、オレが勝手に支えるから。
6/21/2025, 5:48:04 PM