(カクレンシュウ中)・×・)

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『子猫』

続き書けたら書く
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子猫を拾った。
いや、正式に言えば…人なんだけども、。
闇のような綺麗な黒髪で柔らかい猫毛をしていて、自分に対して少し警戒心を抱いている姿を見ていると黒い子猫にしか見えない。
そんな子猫に最初出会った時は、路地裏で酷く衰弱して倒れていた。もう何年も着古されたパーカーにズボンを履いていて、足首や手首からは生傷が見えていた。
これは、絶対におかしいと思い身体を持ち上げた時の軽さや身体付きから食事もロクに摂れていないのだろう。これ、わんちゃん犯罪かな、…なんて考えつつも放って置けない性分が働き、抱えて家に帰ってきて今に至る。

寝ている間に新しい服に着替えさせたまでは良かった。自分のだからかまだ幼いに体には大きいみたいでぶかぶかとしている。問題は、食事を摂ってくれないし話してくれない。まぁ、いきなり起きたら見知らぬ大人の家に居て、話しかけられたり飯を出されても困惑するだろうし、直ぐには信頼できないだろう。
子供は、嫌いではない。ないのだが扱いがわからない。こういうときに友人が居てくれたら助かるのだけれど連絡してみたところ外せない用事があると焦ったように切られてしまった。自分でなんとかするしかない。

「…パスタは嫌いか?」
「……」
「あー、それとも別のがいいか?」
「……」

どうすればいいのか全く分からん。
パスタも冷めてきてしまったし、一旦下げるかと皿を持ち上げようとすると腕を掴まれた。真っ黒な大きい目で見つめられる。すると、くぅーっと弱々しい腹の音が鳴ると顔を赤く染め逸らしてしまう。皿を持ち上げようとしていた手を離しフォークを差し出す。

「沢山食えよ、おかわりもあるから」

こくりと頷き、フォークを手に取りゆっくりと食べ始める姿を見てホッと息を吐くと同時にこの拾ってしまった子猫をどうするかなと頭を掻いた。


11/15/2024, 11:02:51 AM