『ゆずの香り』
師走になると行事が増える。
冬至にゆず湯に入るのも、そのひとつ。
年が明けたら歳神様がやってくる。
その前に大掃除して穢れを落とす。
もちろん、人の身体も綺麗にしなくてはならない。
湯にゆずを入れるのは、あの爽やかな強い香りが邪気を祓うと考えられていたかららしい。
1月7日は七草、3月3日は桃、5月5日は菖蒲、7月7日は竹や笹、9月9日は菊。
節目となる節句には、いつも邪気を祓う植物が添えられる。
冬至は節句じゃないけど、時期的に年を越える前で禊にちょうどよかったのだろう。
昔は、お風呂に入るのも贅沢なことだったから。
ゆずの香りの入浴剤を手に、そんなことを考える。
スーパーで生の柚子を買ってはきたが、誘惑に負けて蜂蜜漬けにしてしまった。
邪気は祓えても、食欲という煩悩は祓えないようだ。
12/23/2024, 9:31:34 AM