忘れたくても忘れられない
良いことも悪いこともそんなに覚えていない。記憶があったとしてもそれが良いのか悪いのかも分からない。脳裏に焼き付いて離れないだとか、感銘を受けて心に深く届くだとか。そういうこともない。もしかしたら嫌な記憶は無かったことにしているだけで深層心理には残っているのかもしれないけれど。当時は自分にとって最悪だった問題も、今思えばそんなに深刻に悩む事でも無かったなぁと時折記憶が思い出されることもあるから、全部が全部忘れてしまっているわけでもない。
だから忘れたくても忘れられないという程、自分の人生に衝撃を与えた出来事はさほどないと言える。ただただ覚えている事柄があるだけで、別にそれを覚えているからと言って今の自分に何か作用することはない。
記憶力に少しばかり問題のある自分は目の前に無いものは思い出すことができなくて、ほぼ毎日会っているはずの君の顔も君が目の前に居ないと思い出すことが出来ない。忘れているわけではないから、例えば何処かの駅で待ち合わせをしたら雑踏の中でもちゃんと君を見分けることは出来るし、シャンプーを変えたり柔軟剤を変えたら会った時に気付くことも出来る。そういう記憶力はある。でも会っていない時に君の顔を思い出そうとするとチグハグだ。写真を見ても君の写真だと理解は出来るが(こんな顔だっけ?)と自信は持てない。
ひと月連絡を取らないだけで、それまで毎日会っていても存在事忘れてしまうような自分ではあるけれど、忘れたくても忘れられないぐらいに君の存在が大きくなってくれたらと願っている。すぐに忘れてしまいそうだけど。
10/17/2024, 12:13:18 PM