NONAME

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【別れ際に】

 付き合った時は輝いていた。
あぁ。私。この人と毎日会えるんだ…って。

本当に嬉しかった。

初めて男と二人でカラオケに行った。
二人で好きな曲歌いまくった。

遊園地に行った。
待ち時間も気にならなかった。

学校に毎日一緒に登校した。
手を繋いで。周りの目を無視して。

結果。虐められた。
ちゃっかり彼の居ない時だけ。

恥ずかしい写真を取られた。
誰かに言ったらこの写真ばらまくって。

高三だったのが救い。
大学に行っていた。

同棲し始めた。
結婚を考えていた。



ついに…

関係が壊れた。


彼が不倫していた。
金巻き上げてからトンズラするつもりだったらしい

バレてどうでも良くなったのか
別れようとしてきた。


頭が真っ白になった。







……目の前に…




呻く肉塊があった……



「なっに………これ!」


頭にそれしか無かった。


手に血だらけのナイフと床に転がったレンジ。
どう見ても私が犯人。




……もう…どうでも良くなった。




持ってるナイフで肉塊を細かく切った。
袋に詰めて山に行く。

異臭がする。
頭が痛い。

山道からかなり離れたとこに来た。
深く掘って肉袋を入れて埋める。



すごく可哀想だと思った。



─数年後


───「よし。ここでいいだろう。」
「おう。山道からかなり離れたもんな」
「これで死体は見つかんねぇ。」
「掘って!掘って!」
「ん?なんだこれ?」




「肉?」
「腐ってんなぁ」
「違う! これは…歯?爪っぽいのもある。」



「昔。ここで何があったんだ…!?」


9/28/2023, 11:30:48 AM