(お題:誰かのためになるならぱ)
誰かのためになるならば、なんて、そんな清らかで尊い思想は、昔いつかの私が捨てた。
私はいつだって利己的で、自身の欲とエゴに正直に生きてきた。優しさの裏にはいつも打算があったし、ずるい嘘なんて数えきれないほどついてきた。それに罪悪感なんて持たなかったし、持つ必要だって感じなかった。
何故ならば、私にとって他者はあくまで、私を満たしてくれるための道具でしかないからだ。打算の優しさもずるい嘘も、巡り巡って未来の私の為になる。人情なんてものは持ち合わせていないし、あったらあったで、それはいつか私を破滅の道に突き落とすだけだ。そんな結末は望んでいない。
醜い自分を隠さず、世界に迷惑をかけながら自分のためだけに生きて、そしていつか孤独に死ぬ。
私の人生は、それだけでいいと思っていた。
そう、思っていた。思っていたのだ、つい数分前までは!
7/27/2024, 12:28:08 AM