ふるきよき

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0:00に間に合わせて誕生日を祝う便りが届く。
なんだか気恥ずかしいからと特に報せたわけでもなく、あちらからやってきた夜中の便りに懐かしい人たちを感じながら穏やかな眠りにつく。

朝方、あの人からの便りはなく。
1日をいつものように消費しつつ、祝い酒も少しだけ頂戴して、ふと気にする間もなく時刻は23:57。

静まった部屋で明日の予習などを済ましていると、23:59。1日の終わりに最後の便りが届けられる。

「お元気ですか。お誕生日おめでとう御座います。今日は1日楽しく過ごせましたか。明日は特別な日ではないかもしれないけど、毎日より良く過ごせますように」

生命線は長くはないけれど、祈りみたいなね。
私の生命線が空間のトンネルをくぐって、誰かの線と繋がってくれたらと願うばかりで。

時計の針が0:00を報せる。
昨日の私と明日の私と今の私の3人がいるような心強さで眠りにつく。


お題:時計の針



2/6/2024, 10:31:11 AM