惟新の角部屋

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今日、先生に会ってきた。
もう二十年前になるだろうか、私が中学生の頃、よく困らせていた先生だ。定年を迎えたらしい。

その頃は、私の性格は凝り固まっていて、よく重いだの堅苦しいだの言われてきた。そんな会話、中学生で出来るのかなどと今は疑問に思っている。

先生はあれから、二十学年分の生徒を見てきたらしいが、その全てを明確に記憶しているとのことだった。教師という忙しい職業柄、なぜ思い出せるのか疑問だ。
私なんて、働いた十数年の間、取引先の顔なんてろくに覚えてきていない。先輩にも怒られたものだ。

まぁ、忙しく働いてきたたくさんの思い出に埋もれまた一つまた一つと忘れていっただけなんだろう。

思い出を分けて、大切にする。簡単なようで難しいことだ。それを先生はしっかりしているから、あんなに楽しそうなのだ。夜の酒場でも目立つほどに。

ただ、今日褒められたこと、それは些細なことに疑問を持つことだった。これだけでも、これからの思い出とは切り離して、覚えておきたいと思う今日この頃。 

こう考える自分、重くないかな。

11/18/2023, 1:42:32 PM