あの二人の間には入れない。何か強い結びつきのようなものを感じて、僕はその姿を見つめることしかできなかった。
尊敬する二人の先輩。両方とも好きだし、僕は大切にされてると思ってた。だからこそ、二人の関係は素直な気分で祝福した。その関係が始まってからも僕は無碍にされずにいる。
だから、その結びつきに入りたいと思うものの、それは野暮なことだと思った。後ろからついていくだけ、それだけで、幸せなのかもしれない。
あるとき、片方の先輩に訊かれた。
「ねえ、私に興味ない?」
「……」
「私、ほんとうはね」
二人は、僕の頭の中にある、美しいままでいて欲しい。
僕は二人に別れを告げた。
あの頃の二人は何があっても消えない。
3/6/2024, 11:39:17 PM