「きれいな顔ね。そして、冷たい目は彼を彷彿とさせる。」
貴女は、私の顔の輪郭を両手で覆い、優しく微笑みながら、
私と一瞬、目を合わせてそう言った。
「こいつで間違えないか?」
鋭い目つきの男は、ぶっきら棒に貴女に問う。
「ええ、彼で間違えない。」
貴女は微笑み、満足そうに青年に答えた。
「金は?」
「いつも通りよ。」
「分かった。」
そういうと、男はこの場を去った。
再度、貴女は私を見て言った。
「今日から貴男は、わたしの夫になるの。」
ふと、目が覚める。
昔の記憶の夢か…。
あの頃は、まだ私の方が背が低かった。
今も変わらぬ、穏やかで美しい、魅惑な貴女。
今日も、貴女は私のとなりにいる。
3/13/2024, 10:55:47 AM