いつもの通学路。淡々と消化されていく日々。
最近は楽しいことなんかないな、もうやめてしまいたい。そんな悲観は十代の特権だろうか。
この時期特有の連日降りしきる雨に鬱屈として、自然と目線が下がる。水溜りが私の退屈気な顔を写していた。酷い顔だ。
そんなことになんとなくいらついて、写っている自分を踏み抜く。飛沫が重力に抗う。
思いのほか長く舞ったそれらを追い、あるべき高さへと戻った目線の先。そこには、久しく見なかった紫色の花があった。
何故か惹きつけられて、自然と足を止める。そこだけ、代わり映えしない中でくっきりと色付いて見えた。
雨は止む気配はなく、一定の音を刻み続ける。
私の日々も、この先も一定なのだろうか。
目の前の花が、とても輝いて見えた。
6/13/2023, 1:14:55 PM