海月 時

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「…あと一年だけ。」
あと一年で、終わろう。このクソったれな人生を。

「死にたい。」
そう呟いた。それなのに、家族は知らん顔。もう自分への愛は無いのだろうか。いいさ、その方が死にやすい。
「死にたい。」
そう呟いた。友人は、生きてと泣いた。何故こんなにも他人に温かいのだろうか。自分は今日も生きてしまう。

何度目だろうか。歩道で立ち止まるのは。
何度目だろうか。高い所に登っては下を見下ろすのは。

死のうと思えば死ねる。なのに誰かに生きてと言われるだけで、あと少し、あと一年と先延ばす。きっと自分は、生きるのも死ぬのも向いていない。 

今日も屋上に立つ。フェンスを乗り越えるのにも慣れたものだ。さぁ、終わろう。そう思っているのに足は動かない。
「…あと一年だけ。生きてみようかな。」
今日も臆病な自分に嫌気が差す。結局は死ねない、でも生きていたくない。この矛盾は、ごみ箱はどこにある。

一年後、自分はまだ、死にたいと呟いていますか?

5/8/2026, 2:49:39 PM