NoName

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透明

コップを爪で叩く。
コンコンと音が鳴る。
人待ちの暇つぶしを喫茶でする。
未だ来ない。
まだ来ない。
まだこない。

氷が大量にあったアイスコーヒーは、溶けて殆ど液体になり、無色透明で光を屈折させていた。
屈折させた光がテーブルにチカチカと描かれた。
結局、LINEで別れを告げてきた彼女はこなかった。

5/22/2024, 4:02:14 AM